「楠水ギャラリー」は「本庄の大楠」を描く福岡在住の画家、嶋田隆の作品・資料・プロフィール・エピソード等を紹介している公式ホームページです。

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GALLERY 1935-1797 ギャラリー

大楠
製作年代1935年〜1979年

製作年代1980年〜1988年

製作年代1989年〜2000年

製作年代2001年〜2006年
その他
製作年代1936年〜2002年
書・漢詩
製作年代1975年〜2001年

題名 大楠全景
制作年代 1934年 画材 水彩 号数 20
水彩画の大樟です。小倉師範学校では暇さえあれば絵を描いていました。この絵を見た美術の先生が、私に油絵を勧め、手ほどきをしてくださいました。大樟は、当時から高く大きく力強く天に向って伸び続けていました。

題名 大楠
制作年代 1935年 画材 油彩 号数 10
20歳前、はじめてキャンバスに油彩で描いた大樟です。1930年代といえば油絵の具は高価なものでしたが、子供の頃「王様クレヨン」を買ってくれたように、父は今度もまた何も言わず絵の具を買ってくれました。東京の美術学校に行きたいといって家出までした長男の夢を、母親が亡くなり兄弟がたくさんいるという家庭の事情でかなえてやれなかった父の、せめてもの気持ちだったのではないでしょうか。

題名 本庄の大楠
制作年代 1972年 画材 油彩 号数 50
この絵は、師範時代からの美術仲間に勧められ、全日本美術協会に出品したものです。突然「会員推挙」の報をもらって驚きました。50歳半ばの頃です。大樟の、まるで地面に「ぐっ」と楔を打ち込んだような力強い根元、風雪に耐えながら大きな枝を支え続けてきた樹齢1900年の幹の生命力を表現しました。当時、私は中学校の校長で、創作活動からは足が遠のいていましたが、久々に持った絵筆は心地よく、一気に描き上げることができました。

題名 冬の大楠
制作年代 1975年 画材 油彩 号数 10
冬の大樟。この絵は白と灰色の世界ですが、楠は常緑樹なので冬でも緑の葉です。実は、この絵は右ページの「春の大樟」と共に、連作「四季の大樟」の1枚でした。10号4枚を毛筆の解説と共に収めるため、横長の連作額も特注しました。当時の私にとって、同じような構図で4枚の異なる色調の絵を描くのは新しい試みであり自分自身への挑戦でもありました。

題名 春の大楠
制作年代 1975年 画材 油彩 号数 10
春の大樟。桜と菜の花に囲まれ、すがやかな空を背景にしています。春の柔らかな日差しに、楠の若葉がゆれています。展覧会終了後、「四季の大樟」は知人に所望されました。しかし、「夏の大樟」と「秋の大樟」は自分でも今ひとつ納得がいかなかったので、お譲りするのを控え、家に置くことにしました。後日改めて見直していると、どうしても手を入れたくなってしまい、残りの2枚はいつの間にか別の絵に姿を変えてしまいました。

題名 老いて益々盛んなリ
制作年代 1978年 画材 油彩 号数 50
構図には苦労しました。特に支柱には気を遣いました。大樟の雄大さを出そうとすると、何本もの支柱は邪魔になります。しかし、支柱が一本もなければ、特異な木の形も重みも表現できません。地面に食い込んだ支柱の根本は何かで隠さないと奥行きが出ません。構図の研究は続きました。(介護老人保健施設青海山荘所蔵)

題名 西から見た大楠
制作年代 1979年 画材 油彩 号数 50
「大樟は、360度、どこから見ても絵になる」 というのが私の持論です。それまで東側から描いていた私は、西側、つまり大樟の裏側に回ってみました。そこには、表の、天に向って伸びていく力強い幹とは対照的な、焼け爛れた空洞が口をあけていました。黙々と風雪に耐えてきた老樟に自分を投影した私は、点描に挑みました。同時に、私は画家として新しいモチーフを探していました。点描の中に動物の形がおぼろげに見て取れます。この絵は、「老樟孫生」に代表される新しい構図を確立させる基ともなりました。

題名 父と娘の大楠
制作年代 1979年 画材 油彩 号数 50
大樟 に、人物があるのは、この絵だけです。自分の樟に対する思いを次の世代に伝えておきたいという気持ちがこの絵になりました。後に、私の大きなモチーフとなる「孫の若樟」も見えますが、この時点で私はまだ、この若い木を3代目の「孫」とは捕らえていませんでした。まだ、娘が手元にいたので、この「若樟」を、自分の後を継ぐべき2代目である「娘」と同一視し、娘に説明しているように思えます。
所蔵:築城町交流センター
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